アマチュア無線の楽しんでいる方にとってはタワーを立てるのは、夢ではないでしょうか。
いざタワーを立てる時に悩むのが「クランクアップタワー」か「自立タワー」かどちらにするかではないでしょうか。
今回は、アマチュア無線の2種類タワーについて徹底比較します。(注意:著作の個人的意見です)
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アマチュア無線用「クランクアップタワー」
まずは、クランクアップタワーについて考察してみます。
クランクアップタワーの良い点
①風の強い時には下げる事ができる。
大きなアンテナを上げている人にとっては、台風など強い風が吹く天候だと心配です。クランクアップタワーであれば、一番下げた状態にしてアンテナへの破損を防ぐ事ができます。
②アンテナ工事の時は地上近くで行える
自立タワーだとアンテナ工事も高所で行う事になります。クランクアップタワーは地上近くで作業する事が出来ます。
③コンデションによってアンテナの高さを変えて運用できる
50MHZのEスポなど場合によっては、最大地上高よりも低い方が良い場合もあります。クランクの途中での状態で運用する事が出来ます。
④周辺に威圧感を減らせる
住宅地に住んでいると、大きく高いアンテナはお近所さんの目が気になります。運用の時だけクランクアップし、普段は下げておくことが出来ます。
⑤落雷の時になるだけ下げて防ぐ
強風と同様落雷もいやですね。下げる事により落雷の危険性が減る安心感があります。
クランクアップタワーの悪い点
①最大のデメリット メンテナンス
クランクアップタワーは上げ下げする機械的動作を行います。ワイヤー、滑車、モータなど定期的にメンテナンスが必要です。 業者依頼や部品交換には費用も発生します。
メンテをしないで使用するには、大変危険ですので、定期メンテナンスが必要です。
長い時間放置すると上がらなくなります。
②必ず上げ下げを行う必要がある。
通常は下げておく必要があります。最大アップは強風に弱く、場合に寄っては「落下の危険」もあります。
下げるのを忘れて外出してしまい「強風でタワーが曲がり降りなくなってしまった」との話も聞きます。そうなるとその後の対応が大変です。
③大きなアンテナは大きなクランクアップタワーが必要
重量のあるアンテナを使うには、それ相当の大きいクランクアップタワーが必要です。費用的にも場所的にも検討が必要です。
④クランクアップには時間がかかる
クランクアップには時間がかかります。突然のDX局出現や、コンデションの変化による珍局とのQSOタイミングを逃す恐れもあります。
いつもクランクを上げた状態にしておくのは、強風を考慮するとできませんので、ちょっとだけバンド状況を確認するにもクランクの上げ下げの時間が必要です。
⑤途中にGPアンテナなどが付けられない
タワーを多く建てられる方は別にして1本しか建てられない方は、いろいろな種類のアンテナをタワーに乗せたくなります。
クランクアップタワーで中段にGPアンテナの取り付けは、構想上一番外側(1段目)にしか取り付ける事ができません。
⑥リモートシャックでの使用は注意が必要
稼働部分があるクランクアップタワーは上げ下げ中に事故の可能性があります。無人での上げ下げには特に注意が必要です。
カメラ等の対策をされている方もいますが、子供などが近くにいる時はどうするかなどの対策も必要です。人身事故になったら趣味どころではなくなります。
アマチュア無線用「自立タワー」
次に自立タワーについて考察します。
自立タワーの良い点
①稼働部分が無い
稼働部分はありません。メンテナンスは基本的に不要(塗装は必要)です。
稼働による事故も発生しません。
クランクアップタワーの様な「クランクを下げるのを忘れた」という心配はありません。
②いつでも運用ができる
クランク上げ下げ時間は自立タワーにはありません。リグの電源をいれればすぐに受信・送信が可能で
珍局の出現も逃しません。
③大きなアンテナが上げられる
クランクアップタワーと比較すると自立タワーの方が大きなアンテナを上げる事ができます。タワーにもよりますが。
④GPアンテナなどが付けられる
稼働しませんので、上段付近にGP等のアンテナを上げる事が出来ます。
⑤自立タワーを利用してワイヤー系アンテナが使える
ダイポールアンテナやタワードライブ、スローパなどのワイヤー系のアンテナを簡単に使えます。
クランクアップタワーたと、最小時の事を考えないといけませんので簡単ではないと思います。
自立タワーの悪い点
①周囲に威圧感がある
住宅地に立てる場合は一番の問題になると思います。クランクアップタワーの様に普段は低くする事ができません。
②強風時に対策ができない
いさ強風になってしまうと対策はありません。台風時には祈るだけになってしまいます。
③高所作業が必要になる
安全帯を付けて高い所で作業するしかありません。高所作業車などによる作業も必要かもしれません。
④落雷対策ができない
夏の落雷季節になると心配です。クランクアップタワーの様な下げて落雷確率を減らす事はできません。
自立タワーを選択
私は上記の事を検討し、10年前に自立タワーを立てました。
その時検討した理由と、自立タワーの悪い所をカバーする対策について。
自立タワーを選択した理由
①いつでも受信すぐに送信
私はいろいろな周波数を受信する様にしています。コンデションの変化や、珍局の出現、業務局の緊急情報の受信、U・VHFのメインチェンネルなど自宅に居る時はなるだけ聞いています。就寝中も?
すぐに応答もできる様にしています。クランクアップタワーした場合は「ほとんど上げた状態」になってしまいそうです。
②メンテナンスが無い
メンテナンス費用を心配する必要が無い事が大きいです。メンテナンス費用は新な投資ではなく現状維持ですので、不要の方が良いと考えました。
③安全性
クランクアップタワーの上げ下げ時の安全を確保する事や、下げ忘れの事を考えるとその作業が無い方が良いと考えました。当時は小さい子供が庭で遊んでいる可能性もありましたので、特に考慮しました。
④多くの周波数のアンテナを載せたい
大にな庭でもないので、1本のタワーにHF~UHFまでのアンテナを上げるには、自立タワーの方が向いていると考えました。GPやディスコーンアンテナを中段に取り付けています。
自立タワーの悪い点をカバーする対策
①風による対策
強風に耐えるタワーにする為、三角タワーではなく、四角タワー(CQタワー)にしました。
アンテナも台風に耐える様にブームステイ等の対策も行っています。
②高所作業の対策
高所での作業をできるだけ安全に行う為、タワーには「ステージとはしご」を付けています。
上り下りの安全確保も稼働安全帯を付けて行っています。
③落雷対策
避雷器の導入や、アースの共通化など被害の可能性が多い誘導雷の対策を行っています。
④威圧感の対策
お隣よりなるだけ遠い場所に立てました。自宅敷地のほぼ中央になります。
心理的な威圧感を減らすべく、自治会などで「災害時のアマチュア無線について」話題に出してなるだけ周囲に不安を与えない様に、間接的な努力をしています。
立ててすでに10年ほど経ちましたが、直接的な苦情はきていません。良いとは思っていないとは思いますが。
まとめ
クランクアップタワーと自立タワー、どちらも良い点と悪い点があります。自分の運用スタンスや環境に合わせて選択すると良いでしょう。夢のタワーを立てる方へ参考になれば幸いです。terry
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