遠く海の向こうからやってくる国際便は、通常のエアバンド(UHF・VHF)の電波では届きません。そこで使用しているのが短波を使用した管制(洋上管制)です。
短波(HF)は電離層の反射を利用して遠くへ届く性質があり、この性質を利用しています。
洋上を飛行する航空機から短波(HF)を受信する施設が今回行った「東京航空局坂戸航空無線通信所(通称坂戸受信所)」です。
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埼玉県坂戸市にある坂戸受信所
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埼玉県西部にある鶴ヶ島市、関越自動車道の鶴ヶ島インターチェンジ近くにある坂戸受信所(坂戸市ではなく、お隣の鶴ヶ島市にあります)
周囲は住宅地に囲まれ、こんな所に受信所?てきな所です。
埼玉県西部には所沢の東京交通管制部(通称:東京コントロール)横田基地、入間基地、など戦前より航空関連の施設が多く存在します。戦時中にはこの近くにも旧陸軍坂戸飛行場がありました。
受信所のアンテナはワイヤー系アンテナ
広い敷地には数多くのアンテナが立てられており、全てがワイヤー系のアンテナです。
短波(HF)は波長λが長い(12m~96m)ため、主に長く作れるワイヤー系のアンテナが多く使用されます。
以前はマイクロウエーブのアンテナがありましたが、数年前に撤去されています。(現在は光ケーブル化)
中央には建物がありますが、窓が塞がれており、無人の様です。
東京RADIO
HF洋上管制、以前は所沢の東京交通管制部により行われていましたが、現在は福岡航空管制部の航空交通管理センター(ATMC)が行っています。
この受信所もATMCがリモートで制御、受信をおこなっています。
コールサインは東京RADIOのままで変更されていません。使用周波数は以下の19波 全てUSB形式です。
使用する周波数は、季節や時間によって変わります。これは電離層が時間や季節により変化する為、最適な周波数を選んで使用しています。
送信は茨城県でおこなっている
送信は、茨城県笠間市旭町にある友部航空無線通信所で行っています。この受信所と共に日本周辺のHF洋上管制施設として機能しています。
なお予備送受信施設は千葉県成田市成田空港付近にあります。
受信するには短波受信機が必要
通常のU・VHFエアバンドとは違い、HF専用受信機で、受信モードがSSB(シングルサイドバンド)のUSBが必要です。
CPDLC (Controller Pilot Data Link Communication)への移行
文字情報による管制への移行が進んでいる様です。以前は位置情報通報と承認も音声による物でしたが、最近は音声による通話数は減ってきています。 しかしリアルタイムな情報に対しては音声で行っていますし、洋上を飛行する航空機にとっての生命線はまだHFによる洋上管制です。
アクセス
周辺は住宅地になります。駐車場はありませんし周辺道路も狭いので路駐はしない様にしましょう。
受信所の前には屋上駐車場があるスーパいなげやがあり、食料品を購入する事は可能です。(無断駐車はだめですよ)私も夕飯のお惣菜を買って帰りました。
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あとがき
受信所の各アンテナを観察すると、各アンテナ(タワー)の地上高はそれぞれありません。目測で20mH~30mHって所でしょうか。 思うに東京RADIOが受け持つのは日本周辺海域です。
世界中と話したいアマチュア無線にくらべ、打ち上げ(受信)角度を低くする必要ないからなのかなと思います。
以前友部航空無線通信所にも行きましたので、追って記事にしようと思います。terry
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