東京航空管制部「通称東京コントロール」のすぐ近くにある「所沢通信基地、所沢トランスミッションサイト」は、アメリカ軍横田基地所属の短波通信(HF)送信専用の基地です。
今回はこの所沢通信基地についてと、短波(HF)で送信している暗号放送?(HF-GCS)についてのレポートです。
米軍横田基地所属であり、主に米軍の航空機への通信ですので、かなり特殊なエアバンドとして紹介します。
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所沢通信基地(所沢トランスミッションサイト)
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この場所は元所沢飛行場あとになります。元所沢飛行場は現在は「航空記念公園」「東京交通管制部 部(東京コントロール)」や警察署、職業安定所、住宅地となっています。
その一角は返還されず米軍所有の所沢通信基地として機能しています。
面積978,840平方メートルと幸大な敷地に短波送信用のアンテナが数十本たっていて、短波(HF)の電波を使って、米軍の航空機、船舶などに情報を伝えています。
受信は埼玉県新座市と東京都清瀬市にまたがる大和田通信所でおこなっています。
所沢通信基地の送信電波(HF-GCS)
アメリカ軍は、世界中で展開する航空機や船舶への通信確保に、人工衛星を始め多くのメディアをつかっています。その中の一つで短波(HF)を使った通信がHF-GCS(High Frequency Global Communications System)がいまでもあります。
送信内容、主目的はEMAs
EMAs(Emergency Action Messages)は、正しくもしもの時(核攻撃?)に行動するメッセージです。
かなり怖い話ですが、アメリカ軍は平時から有事の事を想定している事でしょうか。
送信モードはUSBの音声
放送(送信)は不定期的でおこなわれ、モードはUSBの音声です。
この送信は、音声合成ではなく、オペレータによる読み上げです。
内容は、フォネティックコードによるアルファベットの読み上げで、送信内容は暗号化されています。
「アルファ―、ブラボー、チャーリ」との送信で意味はわかりません。
以下のHPで録音データを聞く事が可能です。
HFGCS (High Frequency Global Communications System) – Signal Identification Wiki (sigidwiki.com)
世界中にあるHF-GCS送信所
Andrews Andrews Air Force Base, Maryland, USA
Ascension USAF, Ascension Island, Atlantic Ocean
Croughton USAF, Croughton, United Kingdom
Diego Garcia Diego Garcia Naval Station, Indian Ocean
Elmendorf Elmendorf Air Force Base, Alaska
Guam Andersen Air Force Base, Guam Island
Hickam Hickam Air Force Base, Hawaii
Lajes Lajes Field, Azores
McClellan McClellan Air Force Base, California, USA
Offutt Offutt Air Force Base, Nebraska, USA
Salinas Puerto Rico
Sigonella US Naval Air Station Sigonella, Sicily, Italy
South Atlantic Probably RAF, Falkland Islands
Yokota Yokota Air Base, Japan
参考文献 USAF High Frequency Global Communications System Revision date: 1 October 2021© Ary Boender / Utility DXers Forum – UDXF UDXF – Utility DXers Forum
HF-GCSを実際に受信してみた
周波数、4724kHz 6739kHz 8922KHz 11175KHz 13200KHz 15016KHz USB
各周波数はパラレル送信を行っています。
私の自宅は、この通信基地から10Km程度のですので強力に受信する事ができます。
通勤時に車搭載のリグ(アマチュア無線機)で4724kHz受信しています。
送信頻度は、日によってまちまちで、やたら多い日もあれば、まったく無い日もあります。
短波ですので、日本全国で受信できるのではないでしょうか。
※2022/03/23追記 試験放送「halo 1 2 3」は 標準時0:00(UTC)日本時間午前9:00(JST)ごろに出ています。
まとめ
アメリカ軍もいまだに短波を使用している事は驚きです。(衛星通信システムのバックアップでしょうが)
なお自衛隊も短波を使用した通信システムを持っています。こちらはデシタル音(ビーカー)ですので聞いていてもあまり面白くありません。千葉県の柏市の基地から出ているらしいのですが、追ってレポートします。
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