アイコムのミドルクラスのHF無線機「IC-7610」を2年程使用しています。この無線機のレビューです。
注意 この記事は個人的な感想による物です。予めご承知置きください。
購入の経緯
IC-765PROの後継機探し
長らく「IC-756PRO」を使用してきました。PRO~PRO3まで作れてたアイコムのヒット作で、カラーディスプレイにバンドスコープ搭載で発売当時は斬新なリグで使い勝手が良いリグです。
しかし、近年のリグは当時では考えられない機能満載になった事と、将来のQRO申請(スプリアス規制)等を加味した結果、新リグの購入の検討をする事にしました。
リグの選定
メーカ選定
アマチュア無線機の3大メーカといえば「アイコム」「八重洲」「ケンウッド」です。どのメーカも良いリグの提供を行っています。メーカの選定にあたり条件の一つとなったのが、リニアアンプの連携です。
残念ながらリニアアンプを販売※しているのは「アイコム」になります。リグとの連携を考えアイコムになりました。
※現在はIC-PW2の発売待ちです。
自宅のどこにいても受信できる体制
私のシャックは3階にあり、寝室は2階、居間は1階になります。「自宅のどこにいても受信できる様にしたい」と考え、リモート機能が必要と考えました。
同時に聞きたい
「なるだけ同時に色々なバンドを聞きたい」。「コンデションの変化をいち早く知りたい」との思いがあります。ディアルワッチ機能が必要と考えました。
価格は抑えたい
アマチュア無線は趣味です。家族の同意してもらえる価格にする必要がありますので、ミドルクラスのリグが精いっぱいだと思いました。
結果 アイコム IC-7610
上記を考慮して決定しました。私にとっては数十年ぶりの新品購入となりました。
レビュー 2年使ってみて
購入して2年程立ちました。使用感などをレビューします。
ミドルクラスHF+50MHZ無線機
私は、1.8Mhz 3.5Mhz 7Mhz 14Mhz 21Mhz 28Mhz 50Mhzに出ています。モードはCW、SSB、FM、AM、FT8を楽しむ通称何でも屋、昔のリグと違い、オープションやフィルター類の追加は不要
これだけでHF +50Mhzまで十分楽しむことができるリグです。さすがSDR無線機はコスパがいいですね。
外観
最近の固定機は小型の物が増えました。私の好みとしては大きくずっしりとした物が良いと思っています。IC−7610は最上級機種程ではありませんが、そこそこ大きいです。「340(W)×118(H)×277(D)mm」
残念なのは、各ダイヤル作りが安ぽいのは頂けたません。メインダイヤルはオプションのリモートエンコーダRC-28の方がしっかりしています。
メーカではコストダウンをする為に、機能を落とさず作りを落としたのでしょうか。少々残念です。
操作性
タッチパネル
近年のリグはタッチパネル式の物がほとんどです。プルタウンで選択して設定する方式ですが慣れてしまえばスマホの様に使いこなせます。特に問題ありません。
しかし使用頻度の多い機能は、専用のボタン形式が良いと思います。私は、バンドスコープの切替はスイッチにして欲しかったです。
オプションの周波数ダイヤル
オプションリモートエンコーダRC-28をUSB接続でIC-7610に接続する事が出来ます。手元でのダイヤル操作は多変便利です。
ディアルワッチ機能
HFを運用している人はご存じの通り、多くの周波数が存在し、それぞれコンデションが非同期変化していきます。そんな変化や、珍局を見つける為にはより多くのバンドを一度に聞けるディアルワッチ(2バンド受信)機能はとても便利です。
IC-7610は、受信機が2セット入っている様に使う事が出来ます。トライバンダー八木を使用している私には、大変便利です。
送受信機能
受信音
受信音の評価基準には個人差が多く、好みもありますのでレビューしにくく、使用スピーカにも依存しますので、何とも言えませんが、個人的にはIC-756PORと比較しても固い音だと思います。
プリアンプ
プリアンプの機能が2段階ありますが、2段目は役に立ちません。ノイズアンプ化します。
バンドスコープ
高速化されたバンドスコープは快適に動作し、2バンドの同時表示も可能です。私は14MHZと21MHZ同時に見る事が多いです。
フルタ―機能
CW、SSBフルタ―はSDR無線機ですのでデシタル処理です。SSBもCWも運用上問題ありません。
個人的な感想では、CWを狭くした時の音がいかにもデシタル的な音になります。音を気にするならばあまり狭くせずに使用した方が良いとおもいます。
送信
送信音は自分で確認する事がなかなかできません。友人やQSO中の方に聞くと「良好」ですとの事
50MHZのAMモードで付属ハンドマイクでQSOした相手の方からは「いい音しています」との回答で(送信の音質調整はデホルト)した。
パソコンとのインターフェース
USB接続
パソコン接続仮想シリアルポートになります。従来のアイコム制御コマンドでIC-7610する事ができます。
音声等の接続もできますのでFT8等の運用やHAMLOGの周波数読み取りに使用しています。
USB3.0
IC-7610にはUSB3.0が搭載されI/Qの出力が可能です。パソコンとの接続でHDSDRやCWSkimmerを動かす事ができます。私はまだ活用していません。
外付けディスプレイ
ディスプレイのDVI出力端子が出ており、外付けディスプレイの接続が可能です。
HDMIのモニターには変換コネクターで接続する事が出来ます。
外付けに大きなディスプレイを接続すると、部屋のどこからでも見れるので便利です。
リモート機能
LANホスト機能
少々の設定とLANケーブルの接続で、リモート運用が可能です。リグにPCを接続する必要もありません。もちろんリモート側で電源のONーOFFが可能です。
リモートソフトRS-BA1
リモートソフトRS-BA1は正直いってだめ!です。昔の作り方のソフトです。今時のフリーソフトの方が良く出来ています。是非改善してもらいたいと思います。
ダメ1 2つに分かれたソフト
RS-BA1は、「通信用のソフト」と「リモート制御用ソフト」が別になっています。
ます「通信用のソフト」でリグとのコネクション成立後に「リモート制御用ソフト」立ち上げます。まるでフリーソフトの組み合わせみたいな構成です。
毎回やっていられない!
ダメ2 ダサいスキン
「リモート制御用ソフト」の画面ですが、どの機種とリモート接続しても同一の画面です。
本体IC-7610のディスプレイ画面を模擬した画面で、本体同様の操作をおこなえる様にしてほしい。
ダメ3 バンドスコープが別画面
バンドスコープはポップアップで別画面になります。ディアルワッチだど3画面になり、解像度が少ないノートPCだと画面が入りきらなくなります。
1画面でバンドスコープ内に周波数とモードと信号強度が出るのが当たり前ではないでしょうか。
ダメ4 将来IC-PW2のリモート操作は?
将来リニアアンプ(IC-PW2)のリモートが入ってきたら4画面での操作でしょうか?かなり使いずらいと思います。
リモートソフトについて提案
アイコムさんに対して提案があります。
①現状ではリモートソフト(RS-BA1)を使用するしかないので至急作り直してほしい。アイコムさんは素晴らしいリグを開発し販売していますが、PCのアプリケーションの開発は苦手なのでしょうか。
リモートソフト(RS-BA1)を有償で市販している以上改善の義務があります。
②もし作り直せないなら、フリーソフトへの支援を行なってはどうだろうか。特にLAN通信の音声圧縮コマンド関連の情報開示してほしい。
開示済の制御コマンドをLANに乗せた場合の詳細仕様を公開すれば、アイコムリグの使用者のグループでソフトを作成できる可能性があると思います。
総括
価格的には30万円以下のミドルクラスのリグです。海外のYouTubeなどでは評判が良いようで、私も「アイコムらしい良いリグ」だと思います。
パソコンと接続してトリプル受信などもできるようですので今後挑戦していきます。terry
広告
コメント