初心者向け アマチュア無線の楽しみ方4「トン・ツー モールス通信」

アマチュア無線

アマチュア無線を40年以上楽しんでいる私が、「アマチュア無線の楽しみ方」をできるだけ専門用語を使わず解説します。

暗号通信みたいな トン・ツー モールス通信

モールス通信は、ブザー音で通信を行う昔からの有る方法です。とてもシンプルで長い音と短い音の組み合わせで文字を表します。映画やドラマ・アニメなどでも時より演出される程、とても通信らしいく一見暗号通信?みたく思われます。

モールス信号の魅力とは

音が言葉になる不思議な現象

モールス通信を多くやっていると、ブザー音の「トン・ツー」が言葉に聞こえるようになってきます。人間の脳ってとっても不思議ですね。最初の頃は、一文字ずつ聞き取っていた音も、だんだん単語に聞こえ、そのうち言葉に聞こえてきます。

さらに日本語のモールスは「耳元でささやいている」様に聞こえるそうです。残念ながら私はそこまでにはなっていません。

遠くまで簡単に届くモールス通信

モールス通信の特徴の一つが大変よく遠くまで届く事です。小さな出力、小さなアンテナで多くの仲間と通信する事が出来ます。この特徴のおかげでアマチュア無線ではモールス通信が今なお盛んにおこなわれています。

無線機を簡単に作って楽しめる

無線機を自作して楽しむには、モールス用の無線機は打って付けです。他の通信手段に比べ無線機を作る事が簡単なのです。少量の部品で作った無線機でも実用になります。

巧の技? 覚える事が楽しいモールス通信

モールス通信を行うには、モールス符号を覚える必要があります。「ト・ツー」はAと聞いて覚えるのが、良い方法とされています。最初はなかなか難しいのですが、だんだんと聞き取れる様になり、早い符号にも対応できる様になります。

モールス通信を行っている人は皆同じ努力をしてモールス符号を覚えて来たのでその大変さと、段々と上手くなる楽しさを知っている仲間です。

モールス信号を送る為のスイッチ「キーヤー」

モールス信号を送るには、専用のスイッチを用います。大きく分けると、押し下げるタイプと横向きになって2つのスイッチが付いたタイプがあります。

キーヤー

昔ながらの押し下げるタイプ(右)は、映画やドラマでもよく見ますよね。横向きのタイプ(左)は、簡単な電子回路と組み合わせて右スイッチを押すとツー(長い符号)、左を押すとテン(短い符号)が出て、きれいな符号を素早く送る事が出来ます。この他にも多くのモールス送信用のスイッチ(キーヤーという)があります。

世界共通語

モールス符号のアルファベットは、世界共通です。「A~Z 0~9」と訳語を覚えれば世界中と交信できます。また和文(日本語)「いろはにほへと~ 50音」 の符号もあります。日本人同士で楽しい世間話にはもってこいです。

誰の信号か分かる不思議なモールス通信

モールス通信は、ブザー音だけなのですが、送信者の「くせ」が出るものです。何度も聞いていると、「あーこの人また出ているな」などわかる様になるのです。人の脳は音に対して詳細に聞き分ける能力が有る様で、Net上でよくある「成りすまし」は出来にくいかもしれません。

パソコンで受信できるのではないの?

モールス通信は、人が聞いて内容を理解し、手で符号を送る為に考案されました。パソコンや機械での通信は、モールス通信を機械化できる様に開発された通信(ラジオテレタイプ)やパソコン専用の通信方法が在りますので、わざわざモールス信号を使う必要は無いと思います。

アマチュア無線でモールスを行うには

アマチュ無線でモールス通信を行うには、3級以上の免許が必要です。4級の方は3級以上の取得が必要になります。

モールス通信に興味がある方へ

昔電波での通信は、ほとんどがモールス通信でした。飛行機で使うエアバンドも昔はモールス通信だったそうです。しかしほとんどが音声やデジタル通信になり、今モールス通信を楽しめるのはアマチュア無線だけになりました。アマチュア無線では、「短波による海外・国内の交信」にも盛んにモールス通信を行っています。

アマチュア無線仲間の中には、「モールス通信だけ、音声の通信はやらない」方もいます。そんな「魅力のあるモールス通信」初めてはいかがでしょうか。

アマチュア無線に興味がある方へ

アマチュア無線局は世界中には推定250万局いると言われています。携帯電話やインターネットの普及しても尚多くの方が楽しんでいるのは、電波の不思議な魅力と、限られた個人の環境の中でより遠へより多くの人と交信できる用に創意工夫して楽しめる趣味だからではないでしょうか。

アマチュ無線の始め方は以下をご参照ください

日本アマチュ無線連盟

あとがき

この記事は、あまりアマチュア無線を知らない方へ向けて作成しました。専門用語の使用を極力避け、楽しさを伝える事を主に作成しました。すでにアマチュア無線を楽しんでいる方には「物足りない・用語が違う」等のご意見がある思いますが、記事の趣旨をご理解頂きたいと思います。 JN1IDY terry

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