アマチュア無線「ミラクルバンド50MHZ(6m)」の楽しみ方

アマチュア無線

アマチュア無線で運用できる周波数の内、50MHZ(6mバンド)は、ミラクルバンドと言われています。なにがミラクルなのか、バンドの特徴や楽しみ方について解説します。さらに運用ポイントもレポートします。

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中途半端な(ちょうどいい)長さの波長6m(50Mhz)の特徴

いつもはVHF・時々HF見たいな飛び方

このバンド(周波数)の一番の特徴は、グランドウエーブ・時々電離層反射でしょう。

年、季節、時間等により交信相手が近くなったり遠くなったりします。この現象は自然現象です。

自然と共に遊ぶバンドって言っても良いと思います。 

電離層反射は起きやすい季節(6月~8月)ですが、秋や冬でも稀に発生します。

強力に反射するスポラディックE層(Eスポ)が有名ですが、E、F層反射やスキャッター・

飛行機の反射なんて物もあります。

気まぐれなコンデションが面白い

この周波数はなんて言っても自然が作り出す気まぐれなコンデションでしょう。この予測しにくい所がミラクルバンドです。

アマチュア無線の醍醐味は、「いつもは交信できない地域や距離、国などと交信出来た!」を楽しむ事ではないでしょうか。

そんな醍醐味を多く味合わせでくれるのが、この50MHZ(6mバンド)です。

電離層反射が無い時でも楽しい

上記の電離層反射は、常時発生していません。平穏なコンデションの時は見通し距離の交信(グランドウエーブ)が楽しめます。

電離層反射中心のHF(28MHZ以下)に比べるとこの見通し距離の交信(グランドウエーブ)の距離が遠くまで飛びます。

市内、県内、地方のローカル局と良好に交信する事が出来ます。関東では関東一円との良好に交信ができます。

ちょうど良いアンテナの大きさが魅力

この50MHZは波長6mです。一番簡単なダイポールアンテナも全長3m(1/2λ)です。

このぐらいの大きさですと、自宅ベランダなどにも設置できるのではないでしょうか。

また移動して山から出る場合も仮設アンテナを容易に立てる事が出来ます。

市販のアンテナも比較的安価な価格になります。

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ミラクルバンド50MHZ(6mバンド)の楽しみ方

広いバンド幅を生かした多モードでの運用

50MHZ(6mバンド)は50MHZ~54MHZ 3MHZバンド幅があります。

この広いバンド幅を生かして色々なモードの運用が楽しめます。

CW・SSBモード

144MHZ、430MHZでは控えめのモードですが、50MHZ以下の周波数では、メインモードでしょう。

50MHZ(6mバンド)のCWにはある特徴があります。 CWとSSBを切替て同一のSSBバンドの内の周波数で運用されます。SSB運用中に「これからCWにします。ー・・ ・」ていう感じです。

FMモード

51.0MHZがメインチャンネルでこれより上の周波数で運用されています。運用局数はあまり多くないようですが、電離層伝搬が発生するとFM変調の綺麗な音声で色々な所と交信できます。

著者は関東在住ですので、電離層伝搬では九州・北海道・韓国・フリピンなどの局とまるでローカル局の様な音声で交信する事が出来ます。

デジタルモードFT8他

近年流行のFT8が代表的なデシタルモードですが、数多くの局が運用しています。平穏な時にはグランドウエーブ、電離層伝搬時には遠い局との交信を楽しめます。FT8はかすかな信号でも交信可能ですので、CW・SSBではわからない微かな電離層伝搬でも交信できます。

微かなミラクルを数多く体験する事が出来ます。「えーこんな所が見えるぞ!」

独特な音のAMモード

AM変調は独特な音の音声で交信する事ができます。オールドタイマーの方には懐かしいく、ニューカマーの方には他のバンドであまり聞く事の無い音声で交信する事が出来ます。

自作派が好む50MHz(6mバンド)

自作アンテナを作って楽しむ

「ちょうど良いアンテナの大きさが魅力」の通り波長が6mなので、高性能の自作のアンテナを容易に作る事が可能です。CQ誌やHPなどでも制作記事が多くあります。

また1200MHZ等のアンテナと比較するとアバウトな工作精度でもちゃんと動作する事も魅力です。

自作無線機での交信

自分で制作した無線機で電波を出して交信できるのは、アマチュア無線だけです。

最近流行りのフリーライセンス無線や業務無線では、個人が作った自作無線機はそう簡単に許可されていません。実験やテストしながら運用なんて絶対不可でしょう。

50MHZ(6mバンド)は自作派が多くいるバンドでもあります。自作派が好む理由はこの周波数が扱いやすい事があります。測定器類も比較的安価な物で代用や自作する事が出来ます。

さらに自作派が多い最大の理由は、AMモードの存在でしょう。

無線機の自作を始めるには、AMモードがとても手軽に始められ、実用的な無線機を作る事が出来ます。

その後安定度やBFO、平行変調のレベルを上げてSSBへと進むのが王道でしょう。

HF無線機で50MHZを運用できる手軽さ

最近の市販のHF無線機(リグ)には、ほとんどに50MHZが付いています。既にお持ちの方はアンテナを用意すれば運用できます。

まだHFの無線機をもっていない方で、今後電離層伝搬が出来るバンドに興味がある方は、どのHFのリグを選んでももれなく50MHZが付いてきます。

手軽な50MHZです。

参考 アマチュア無線「HF(短波)と50Mhzを始める方への一押し無線機とその理由」

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50MHZ(6mバンド)の運用方法のポイント

実はみんな聞いている

よく聞く話で、平日の昼間に「50MHZでCQを出したが誰もいない!どうなっているか」

なんて方多いのではないでしょうか。

80年90年代アマチュア無線の全盛期は、かならず誰かが応答してくれたバンドですが、他の通信手段(携帯・インターネット・SNS)がある現代では、早々出てきてくれません。

「じゃだれも聞いていないのか?」と思うとそうでも無いようです。

コンデションが上がってくると「どこから出てきたのか?」と思う程の局が出てきます。

要するに「聞いているだけの局」が多いのです。皆ミラクルなコンデションになる事を待っているのです。

平穏なコンデションの時は休日に運用

ミラクルなコンデション(電離層伝搬等)の発生以外でこのバンドを楽しむには、土曜・日曜・休日の運用がおすすめです。

特に休日の午前中は、移動局が多く出てきて賑わいます。移動常連の方も多くおり、各地からの声を聞く事ができます。

QRPの自作機をもって山から交信を楽しんでいる方も結構いて、自作の楽しいお話を聞ける事もあります。

ミラクルコンデションの運用

このバンドのコンデションは激しく変化します。ミラクルなコンデション(電離層伝搬等)発生時はとにかく多くの局と交信したいと思う局がいます。

そんな方との交信は相手の気持ちを察して手短に済ませましょう。交信内容を聞いていれば分かると思います。

ミラクルバンドでのアワード集め

このバンドでのアワード集めはエキサイデングです。平穏なコンデション時はグランドウエーブとミラクルコンデションによる遠望交信を組み合わせてのアワード(QSLカード集め)は末永く楽しめます。

特にJCC・G(全市・全群)などのアワード集めは「何時ミラクルコンデションになるか?」待つという楽しみを与えてくれます。

コンテスト時は多くの局が出てくる

コンテスト常連局の中には、このバンドをメインにしている方が多くいます。あまり大きく無くて済むアンテナを持ってロケーションの良い場所へ行く方など、コンテストは結構盛り上がります。

アワード集と組み合わせてコンテスト運用すると楽しさ倍増です。

あとがき

アマチュア無線全盛期80年~90年代の50MHZ(6m)バンドは、学生バンドと言われていました。

当時アイコムや八重洲の無線機メーカは50MHz専用の比較的安い無線機を数多く発売していた事と、あまり大きくなく安価なアンテナで済む事により、学生が多かったのではないでしょうか。

放課後になると学校のクラブ局が多く運用していた事を懐かしく思い出します。

その頃学生だったOMさんは、このバンドに対する思いがあるのではないでしょうか。

現代の若い学生の皆さんがアマチュア無線に関心を持ってもらうには、体験局や制度改正だけは、難しいと思われます。

OMさんたちがアマチュア無線を心から楽しんで、それをどのように伝えるかを考える必要があると感じます。 terry

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